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H30年2月,市立奈良病院の勉強会より. 胃癌とピロリ.吉本医院

category : 院長より 2018年6月4日 更新

市から,胃癌検診や胃癌リスク検診の案内がある方も多いと思います.

胃癌リスク検診は,胃癌の原因(の一つ)であるヘリコバクター・ピロリ菌の有無などを見ます.

胃癌検診は,まさに,胃カメラで胃を直接見ます.

機会があれば,検診ですので,基本的に受けることをお勧めします.

 

さて,職場健診や胃癌リスク検診でピロリ菌陽性を指摘された方が,除菌を希望して来院することがありますが,除菌の前に,胃癌ができていないか胃カメラで確かめてから除菌することを勧めます.

癌ができてしまっている場合,除菌で癌が治るわけではないので,当然だとは思いますが, 胃癌と内視鏡の勉強会に出席して,写真を色々見させていただき,勉強したところによると,

 

なんと,ピロリ陽性の早期胃癌で,小さく切ると完治するはずだったのが,手術前に除菌をすると,癌の範囲がよくわからなくなり,大きく切らないといけなくなってしまうことを指摘されました.

確かに,ピロリ菌陽性の癌患者が,除菌をした写真をみると,一見正常になったように見えて,癌がわかりにくくなっています.切除後,組織を顕微鏡で見た写真をみると,正常な細胞が,癌細胞にかぶさっていました.これは,治ったわけではなく,隠されているだけで,その後,癌が広がってくるという怖い病態です・・・.

 

ピロリ陽性の人は,とりあえず除菌.その後,時間のある時に胃カメラ・・・・・だめです!癌があってもわからなくなっています.

ピロリ陽性の人は,まず胃カメラ,問題ないことを確認してから除菌.問題ある(癌がある)時は,除菌はしないで担当医に相談・・が,よいです.

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